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チョコレートで有名な明治製菓は、年間四〇〇種もの新製品を販売するという。何でも、消費者がつねに新しいものを求めているからだそうだ◇これもそのためであろうか、鳩山政権が発足して以降、新しい制度や政策が次々と打ち出されている。すべてが順調なわけではないようだが、暗礁に乗り上げると各大臣は口をそろえて「マニフェストの通りに」という◇マニフェストとは何だろう。昭和三〇年出版の「広辞苑第三版」には「宣言」とある。「宣言」とは、自分の方針を述べることである。すなわち、マニフェストとは本来政党の目指す社会の青写真のことなのだ◇忘れてはいけないのは「政権公約」は政治家が机上で決めたものであるということだ。当然、実際の制度や法案として国民の目にさらされれば問題点も見えてくるだろう◇例えば、民主党が第一に掲げる「子ども手当」であるが、受給対象者の四割が「見直すべき」と考えているという。これを無駄といわずに何といおう◇「新」政権の気負いがあるのは仕方がないが、「騎虎の勢い」では困る。いま一度冷静になって「政権公約」を検討してほしい◇ところで、明治製菓が新製品を出す際に最も気をつけるのはパッケージだという。買い物客が買うお菓子を決める時間は十秒しかないので、インパクトが最も重要なのだそうだ。政治は中身重視であることを期待したいが、そのためには国民が政治をじっくりと見つめる必要がありそうだ。
